母から受け継いだ
ハンドメイド

他人とは異なる際立つ個性への探究心の芽生えは、物心ついた頃からミシンで手づくりの洋服を作って着せてくれた母の感性から受け継ぎました。
我が子への愛情がたっぷり込められたハンドメイドの温かみやオーダーメイドの良さを暮らしの中で感じながら、自然にものづくりの世界に興味を持った幼少期を過ごします。
沖縄の豊かな自然に恵まれた離島で生まれ育ったこともあり、日々の暮らしや遊びのなかで天然素材に触れる機会も多く、豊かな自然に育まれた天然素材の質感や風合いに対する感覚的なセンスや感性を育みながら成長する土壌に恵まれていました。

すこし成長して周囲の友人たちが自動車やバイクをカスタマイズするなどメカニックな方面に興味を持つなか、洋服を自分なりの創意工夫でリメイクをして他にはない自分だけのオリジナリティを追求してみたり、独自の個性を発揮していくプロセスを楽しむことへの情熱が芽生え始めていた青年期。
この時期は「自分だけにしか作れない何か」が、まだ明確ではなかったけれど、自分自身の興味関心、内から湧き上がる好きという気持ちに正直に従い、内なる情熱に素直に向き合いながら自身が進む方向性を模索していくようになりました。

ものづくりへの情熱

生まれ育った離島を離れて沖縄本島の専門学校を進学・卒業。
幼少期の頃から興味のあったアパレル会社に就職し、当時、沖縄の新しい観光スポットとして注目を浴びていた北谷町に勤務することになりました。
当時の北谷町はシネマコンプレックスの上陸や、ランドマークとなる観覧車の登場など「沖縄初」の目白押しで、新しい感性を求める地元の若者たちのデートスポットとして有名となり、昼夜問わず、たくさんの人で賑わうようになります。
またショッピングモール近くには、エメラルドグリーンに輝くビーチでのマリンアクティビティやサンセットを楽しめるほか、

天然温泉が湧く宿泊施設なども建設され、地元のみならず観光客にも人気の街として発展していく北谷には、在沖アメリカ人も多く訪れるようになり、異国情緒漂うエリアとしても人気を博します。
そんな発展めざましい街で、洋服の接客・販売をするスキルを身につけながら、
新しい刺激や発見に目まぐるしくも楽しい日々を過ごしながら、己のオリジナリティを追求する分野を探究する日々が続きました。
長年のアパレル勤務を経て、木材会社の配送や飲食店店長などを経験し「ものづくり」への情熱を募らせるようになります。

作り手としての
運命の出会い

様々な職種で得た経験から作り手として辿り着いた素材は「革製品」。
革製品の魅力は何と言ってもエイジングによる素材の色合いの変化や、日々愛用することで自分自身ライフスタイルに馴染んでくるところ。
革製品として愛用しているうちに、やはりオリジナリティあふれる自分だけにしか作れない商品を追求するようになりました。
思い立ったが吉日。
早速、作り手としての工程を学ぶべく、革製品のノウハウが学べる専門店で数年間の修行を積みます。
修行先では作り手としてだけじゃなく、店頭で接客するなどフレキシブルに動きながら、作り手としての技術を研鑽する日々。

革製品のバリエーションも数多くありますが、お客さまも男女、年齢関係なく愛される商品だからこそ、それぞれのライフスタイルに応じた細やかなニーズや好みが存在します。
ウォレット一つとっても女性は丸いフォルムや鮮やかな色合いの商品を探していたり、男性の場合はエッジの効いた個性的なデザインを好まれたりと実にお客さまの好みは多種多様。
日々の接客は革製品をお求めになる方々のリアルな声を聞くことで、革製品を愛用するお客さまの多種多様なニーズを汲み取ることを学べる素晴らしい現場でした。

沖縄らしさの希求

専門店での修行を数年間経てさらなるオリジナリティの追求のため、自分自身の店舗を持つことを決意したのが3年前。
人生をかけて惚れ込んだ革製品を沖縄で作るからには、県産素材を使ったオリジナル商品を生み出したいと孤高奮闘する日々がはじまりました。
しかし、動いてみたらこれまで培ってきたあらゆる人のご縁に導かれているのを感じるようになりました。
まず店舗を構えようと動いてみたら、以前働いていたアパレル店で縁のあった方に再会。社会人人生初めに販売・接客に携わった人気エリア北谷町に自身のショップである「U.A.STORE」をオープンさせることが出来ました。

さらに、亜熱帯特有な気候で育まれた沖縄らしい天然木と革のコラボ商品の開発のため県産の天然素材を探していたところに、これまた親しい縁者のご縁で自治体の森林関係セクションに勤務する方のアドバイスを受ける機会に恵まれるようになります。
“沖縄らしさ”を表現する素材と、革製品の素材感が活かせるような天然木を探し求めた結果、運命の天然木「相思樹(ソウシジュ)」に巡り合うことになります。
こうやって、様々な人たちとのご縁を経て沖縄の天然木と革製品のコラボレーション商品が誕生しました。

人のご縁で紡がれた
天然素材

オリジナリティの希求の結果、出会った天然素材は「相思樹(ソウシジュ)」。
ソウシジュの学名は、アメリカ合衆国の植物学者であるエルマー・ドリュー・メリルによって命名されたというのが有名な説です。
和名としては『ソウシジュ』が一般的ですが、沖縄県では琉球方言で「ソーシギ」や「ソーシジ」とも呼ばれ地元の人たちに馴染みのある樹です。
店主が一目惚れした木目や風合いが革製品に馴染み、天然素材同士の良質な質感や手触りが魅力でもあり、日本では当店でしか扱っていない素材です。
また相思樹語源は「相思相愛」とも言われており 「鴛鴦の契(えんおうのちぎり)」 という、

中国の故事に記されている純愛ストーリーとしても有名で“オシドリのように一生なかむつまじく連れ添うという夫婦の契りが逸話として語り継がれています。
作り手が惚れ込んだ天然木と革製品が、お互いの個性をつぶすことなく美しく調和していくように。
また当店の商品を手にとってくださったお客さまとのご縁が、相思相愛で末長く睦まじく続くように。
運命の素材「相思樹」との出会いは、作り手である店主の願いと呼応するような意味合いを持つこともコラボレーションの決め手となったのです。

天然素材だからこその
オンリーワン

作り手が沖縄の天然素材にこだわり「ここにしかない」商品を追い求めてたどり着いた天然素材で作り出す革製品は、全てハンドメイド。
手間ひまかけたハンドメイドだからこそ、既製品とは違い世界に一つだけの革製品を作り出すことが出来ます。
作り手が製品を生み出す工程のほとんどが手間ひまかけた作業によるものでもあり、天然素材同士が紡ぎ出す、柄やテクスチャー(物の表面の質感・手触り)を楽しめることも魅力の一つです。
また、革製品そのものの楽しみ方としてお客さま各々のライフスタイルの違いで、

素材の風合いが独自に変化していくアイテムが多くのファンを引き寄せている理由の一つだと感じているのは私だけではないと思います。
当店の商品を愛用してくださるお客さま自身の歴史と、共に重ねていく形でのエイジング(歴史を共に重ねていく経年変化)を楽しみながら、持ち手にしか滲み出すことの出来ない個性を発揮することのできる商品は、革製品ならではの魅力ではないでしょうか。
作り手のクラフトマンシップを詰め込むだけじゃなく、沖縄の天然素材にこだわったアイテムで、お客さまの日々の生活に彩りを与えることが出来るようなものづくりを目指しています。

素材の逸話にあやかって

全国数多あるショップから当店を選んで頂いた誇りを胸に、手にとってくださったお客さまの生活に寄り添うアイテムを取り揃えております。
ものづくりが好きな店主が追い求めてきた沖縄の天然素材との出会いが、人とのご縁で結びついてきたように、作り手の惚れ込んだ革製品と沖縄の天然素材が出会ったハンドメイド商品は、お客さまの大切な人への贈り物としても活躍すると感じています。
当店と縁のあった皆さまの手でオーダーメイドの革製品を育てて頂くことで、より一層、愛着を持てる逸品へと変化していくのも素敵ですね。

沖縄が好きで手にとってくださったお客さまのライフスタイルに、すこしでも沖縄テイストを添えることが出来たら、こんな幸せなことはありません。
地元で馴染み深い「相思樹(ソウシジュ)」が持つ純愛ストーリーや、「相思相愛」の意味合いに現を担いで、両思いになりたいあの人へ、さらには、男女問わず、縁あって出会った大切な人たちとの末長いご縁を願うアイテムとしてもご愛顧頂けると幸いです。
最後に何より、「U.A.STORE」のアイテムと、作り手である友利裕騎とのご縁を結んでくださった皆さまと、末長いお付き合いが出来ることを心より願っております。